動き始めた。いろいろと、一気に。
6月になった。
なんか、空気が変わった気がする。
授業の日程が埋まって、ゲストの顔が揃ってきて、「あ、これ本当に動くんだ」という実感がじわじわ来ている。コーディネーターという仕事をしていると、この「助走期間」が案外好きだ。まだ何も起きていないのに、なぜかワクワクしている。たぶんこれが一番楽しい時間なんだと思う。
今日はそのいくつかを、少し先取りして書いておこうと思う。
商工高校、初めての地域交流会。
6月19日。玉野商工高校として、初めての「地域交流会」を開く。
初めて、だ。
別に大騒ぎすることじゃないかもしれないけど、個人的にはめちゃくちゃ楽しみにしている。まずは人数を絞って、小さく、丁寧にやる。「持続可能」という言葉を教育の現場でよく聞くようになったけれど、続けるための設計って、最初の一回目が一番大事だと思っている。
で、この交流会の面白さって、実は子どもたちだけが刺激を受けるんじゃないところにある。
大人側も、高校生と話すことで何かが動く。まだ社会のルールに染まりきっていない言葉、純粋すぎる問い、妙なところで鋭い視点——そういうものが、大人の固まりかけた思考をほぐすことがある。
交流とは、どちらが教えてどちらが学ぶかを、決めないことかもしれない。
各学校の文化に合った形にカスタマイズして、毎年少しずつブラッシュアップしていく。商工高校には商工高校のカラーがある。その色を生かしながら、地域の中に根を張るような場を育てていきたい。
7月には「お仕事フェス」がある。
7月14日、「お仕事フェス」。
商工高校では以前から職業系のイベントはあったそうだけど、今回のテーマは「幅広い多様な価値観と職種」。いろんな仕事をしている人たちが一箇所に集まって、高校生と話す。それだけなんだけど、それがすごく大事だと思っている。
人は、知っている職業の中からしか選べない。
行動経済学的に言えば「認知的利用可能性」の話で、思い浮かびやすいものが正解に見えてしまう。だから「選択肢を広げる」ということは、情報を増やすんじゃなくて、その人の人生の可能性を広げることに直結している。
玉野という街にいながら、いろんな職業の選択肢に触れられる。しかも、企業側にとっても一方的な説明会じゃなく、高校生たちとの会話の中で何か持って帰れる場にしたい。そういう双方向の設計が、長続きする仕組みを作る。
第一歩が、楽しみでしかない。
玉野高校は、なかなかの布陣になってきた。
玉野高校の方も、じわじわと熱くなってきた。
まずインタビュー・コミュニケーション講座。外部から講師をお招きして授業をする。誰が来るかはもう少し後で発表できると思うけれど、「伝える・聞く・引き出す」というコミュニケーションの核心に触れる内容になる予定だ。これは個人的に相当楽しみにしている。
そしてCanvaコミュニケーション講座。
今回は4人のデザイナーに来ていただく。僕は全体統括なので、デザイナーとしては参加しない。これが実はちょっと面白い変化だ。
この授業の肝は、Canvaの使い方じゃない。4人のデザイナーがそれぞれの言葉で「なぜ作るのか」「何を届けたいのか」を話してくれる。その言葉が高校生に刺さったとき、デザインツールの話が「人生のデザイン」の話になっていく。その瞬間が、たぶんこの授業の一番の見どころだと思っている。
4人、それぞれ全然違う言葉を持っているから、どんな化学反応が起きるか。本当に楽しみだ。
そして11月、ちょっとだけ言っておく。
まだ全部は言えないんだけど、11月頃に玉野高校でプレゼンテーション講座をやる。
2人の、某インフルエンサーをお招きしている。
僕がファシリテーターを担当して、ゲストの言葉を引き出しながら、生徒や先生の声も拾っていく形にしたいと思っている。企業研修のような「うまく話す技術」の授業とは、たぶんまったく違うものになる。
インフルエンサーって、ある意味「伝えることのプロ」だ。フォロワーがいくら多くても、届かなければ意味がない。何を言葉にして、何を見せて、何を届けようとしているのか——そういうことを、高校生たちと一緒にディスカッションできたら、絶対に面白い場になる。
「伝わる」というのは、技術じゃなくて、想いの解像度かもしれない。
発表できるタイミングで、ちゃんと紹介したいと思っている。
全部、つながっている気がしている。
こうして並べてみると、なかなかの量だ。でも不思議と、バラバラな感じがしない。
地域交流会もお仕事フェスも、Canva講座もプレゼン講座も、根っこにあるのはたぶん同じことだ。「知らなかった何かに出会う」「自分の言葉で話してみる」「誰かの存在が、自分の中に問いを立てる」——そういう体験を設計することが、コーディネーターの仕事の本質なんじゃないかと、最近ますます思うようになった。
まだ何も始まっていない。でも、なんかいい予感がしている。
この感覚、大事にしておきたい。
著者
西田井祐也|社会教育士
