7月14日、玉野商工高校で「お仕事フェス」を開催した。
よくある企業説明会と、何が違うのか。開催前、何度もこの問いに立ち返った。
企業のパンフレットを並べて、業界研究をさせる。それも大事だとは思う。でも、それだけでは「仕事」が記号になってしまう気がしていた。生徒たちに本当に見せたかったのは、「職業」そのものより、「それをしている人」だ。
地元企業はもちろん、フリーランスの動画クリエイターやオンライン秘書といった、教科書には出てこない働き方をしている大人たちにも声をかけた。会場のあちこちで、生徒が「え、そんな仕事あるんですか」と目を丸くしている場面があった。
これはキャリア教育というより、「大人のバリエーションを増やす」時間だったんだと思う。心理学でいうロールモデルは、一人では機能しにくい。似た者ばかりのロールモデルの中では、生徒は「自分に合う型」を見つけられないことが多い。だからこそ、できるだけ違う生き方の大人を、できるだけたくさん並べたかった。
開催日までの数週間は、正直このイベントの調整でほとんど埋まっていた。企業と生徒の間に立って、「どう伝えれば生徒に届くか」を一件ずつすり合わせる。地味な作業の連続だったけれど、その分だけ当日の熱量につながった気がする。
コーディネーターの仕事は、こういう「橋渡し」の積み重ねなんだと思う。企業側の言葉を生徒側の言葉に翻訳する。生徒側の関心を、企業側に伝わる形にする。派手さはないけれど、たぶんここが一番大事な部分だ。
働き方を知ることは、生き方の選択肢を知ることだ。まだ答えの出ていない生徒もいると思う。それでいい、たぶん。
玉野高校・玉野商工高校 コーディネーター 西田井祐也
西
著者
西田井祐也|社会教育士
SHARE𝕏 でシェア
← 一覧に戻る